過去・思い出

生徒に襲われたこと②

たくさんのコメントありがとうございます。

お蔭で、風邪も少しマシになってきました。


Hくんには「受験が済むまでメールもダメ」と言っておいたのですが、今日になってHくんの試験がいつあるのか知らないことに気が付きました。

Hくんの受ける大学の試験は来週末まであり、卒業式と重なってはいないのかと思います。

代理のピアノの子が居ることは居るのだけど、その生徒では合唱練習をしていないので、気になります。


さて、先日の続きを書きます。



K谷は私の体を床に押し付け、両手首を束ねるようにして押さえつけた。

そして、私の胸を揉むと言った。

「前からくぼちゃんとしたかったんだよね」

目が笑っていた。

当時の私は教師としてもまだ初心で、それが今だとしたらK谷の股間を蹴り上げたりしたことだろうけど、その頃は怯えてしまっていた。

「やめて」

「やめてって言っても、誰も来ないさ」

その日は休日だった。

いや、春休みだったのかも知れない。

グラウンドで運動部は活動していたけど、校舎内には人はほとんどいなかった。

「黙ってりゃ誰にもばれねーしさぁ」

そう言いながらK谷は私のスカートを捲り、太ももに手を触れた。

「こんな事したら・・・処分があるわよ」

「ふんっ、オレにやられたって人に言えるのかよ?恥ずかしくて学校にいられなくなるぜ、くぼちゃん」

「やめてよ」

「そのうち気持ちよくなるからよ」

そう言いながらK谷は片手でズボンを下ろした。

高校生にしては大きなものが目に映ったけど、すぐに目を逸らした。

「今すぐ入れてやるからな」

そう言いながらK谷は私の下着に手をかけた。

もうダメだ・・・そう思った時、廊下から声がした。

「おーい、K谷ー、どこにいるんだ」

「ちっ!おい黙ってろよ」

そう言うとK谷は私の口を手で塞いだ。

しかし、何とか声の主に気付かれて欲しいと思った私は、足をばたつかせた。

すると、机に足が当たり、「ガタ」っと言う音がした。

足音が近付いてきて、並んでいる教室のドアをひとつひとつ開ける音が聞こえる。

K谷は私から体を離すと、急いでズボンを履き直した。

ガラッと音がして、私が押し倒されていた教室のドアが開いた。

そして、サッカー部のIくんが入ってきた。

「何やってんだよ?それにくぼ先生、どうして?」

「今見たことは口外しないで。K谷君は自分の面汚しをしたくなければ処分を待つのね」

私は衣服を直し、その場を立ち去ったけど、次の日にK谷にされたことは生徒指導部に報告した。

Iくんには口止めしてけれど無駄だったようで、すぐに噂は広まった。

だけど、K谷が退学になってしばらく経つと、その噂も消えた。


その後のK谷はどうしているか知らない。

だけど、後になってK谷に泣かされた女の子がたくさんいたことを知った。




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生徒に襲われたこと

今週はHくんの入試がある。

会えないと思うとホッとする反面、会いたいと思ってしまうのだから、自分でもどうしようもない。

来週には卒業式。

制服姿の彼を見るのも、もう終わりなんだと感傷に耽る。


全然関係の無い話なのだけど、先日頂いたHAPPYさんからのコメントに校内でのエッチはありますか?と書いてあったのですが、そのことで思い出したこと・・・5年前の事を書きます。


その頃私は、まだ今の学校に来て僅かで、見知らぬ生徒もたくさん居た。

だけど、当然教師間の話題に上る生徒は、授業を受け持たなくても名前も顔も覚えていた。

話題にのぼると言っても、いい事ばかりではなく問題行動の多い生徒も当然名前がよく挙がる。

K谷も、そういう生徒だった。


私はK谷には音楽を教えていないし、該当する学年所属でもなかったので、彼とは一度も口を聞いた事が無かった。

ある日、教官室へと廊下を歩いていたら、3年の教室の前にサッカーのユニフォームを着たK谷が立っていた。

「くぼちゃん」

「K谷君・・ね。私の名前を覚えていてくれてありがとう。どうかしたの?」

「床にピアス落としちゃってさ、見つからねーんだ。一緒に探してくんない?」

「うちの学校ではピアスは禁止でしょ?いいわ、探してあげる。どの辺りなの?」

教室に入って床を見ると、何も落ちていそうではなかった。

「うーん、この辺りで落としたんだけど」

「この辺り?」

私はそう言って、床に屈みこんだ。

あちこち見回して探してみても見当たりそうも無かった。

その時、不意に背後からK谷が私を床に転ばせた。

「何するのよ?」

私がそう言っている間に、K谷は私の上に乗っていた。

「くぼちゃんってさぁ、彼氏いるの?」

「どうでもいいでしょ!」

「いい体してるよなぁ」

K谷は私の手を押さえつけてニヤニヤ笑っていた。



長くなるので続きます。ごめんなさい。



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きっかけ⑥ ~止められない欲求~

今日は3年生の登校日でした。

と言っても、今日も授業ではなくて球技大会。

私は上から時々様子を眺めていましたが、本気になりすぎて怪我をした子もいるみたいでした。

後で聞いたら、その生徒はもう進路が決まっているとかで、良かったなと思います。

球技大会が終わった後、Hくんがこっそり教官室にやって来ました。

だけど、友達が待っているからと、今日はさっさと帰って行きました。

顔が見たかっただけ・・・と言ってました。



さて、しばらく書いていませんでしたが、Hくんとの関係の始まりについてです。



Hくんは黙って私の上に体を重ねた。

だけど動きが止まったように、私の顔をじっと見ている。

私が彼の顔を引き寄せると、ようやく唇を重ねた。

それから、Hくんは火が点いた様に何度も唇を押し当ててきた。

やがて、Hくんの手が戸惑いながらも胸を触った。

たどたどしい手付き・・・セーターの下に入ってくる。

私が自分でセーターをたくし上げてやると、堪らなくなったように顔を埋めてきた。

ブラをずり下げるようにして、胸を露にされる。

私は思わず呟いた。

「吸って」

Hくんの生暖かい下が乳首に触れると、私は「あっ」と声を漏らしてしまった。

彼の唇が乳首に吸い付くと、私は久しぶりの感触に身を震わせた。

頭の中では、とんでもないことをしていると理解しているし、もし人に知られたらと言う気持ちもあった。

だけど、もう止めることは出来なくなっていた。

乳首を吸われ続けるうちに、そういった考えよりも快感のほうが強くなってしまっていた。

「んっ・・・ああっ・・・」

私が声を漏らすと、Hくんはますます興奮していて彼ももう自分を止められないようだった。

息を荒くして、私のスカートに手を差し入れ、下着に手を入れようとする。

私が腰を浮かせてやると、彼は私のパンティを太ももまで脱がせた。

「触って」

Hくんは息を荒くして、何も言葉を発しなかった。

私の導くがままに、私のあそこに手をやる。

私はもうすでにグチョグチョに濡れていた。

Hくんの指先が、私を開こうとしたその時に、内線が鳴った。

そして、Hくんの動きがぴたりと止まった。



ごめんなさい。今日はここまでです。

まだ、続きます。



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きっかけ⑤ ~秘密の入り口~

今日はまだ疲れが残っていて、夕方からうとうとしてしまってました。

気が付くと9時を過ぎていて、その間にHくんからはメール、I先生からは着信がありました。

I先生には、電話をする気が起こらなくて、簡単にメールを送っておきました。

Hくんには・・・「誰かさんのせいでクタクタです」とメールを送ったら、「ごめん」と返ってきました。

その後、何回かメールのやり取りをして、お風呂に入ると、またI先生から着信が入ってました。

私は、I先生に対して何となく後ろめたいものがあるので、結局それにも電話で返すことはしませんでした。

こういうのって、自分でも卑怯だと思います。


さて、先日の続きです。

そろそろ、今の関係が見えてくると思います。



「絶対に話しちゃダメよ」

私がそう言うと、Hくんは黙って首を縦に大きく振った。

私がもっと顔を近付けると、彼は一層体を固くして身構えた。

唇を、Hくんの唇に触れそうなところまで近付けると、彼は目を閉じた。

だけど私は、彼の期待には応えず、そこで動きを止めた。

「キスして欲しい?」

私がからかうような調子でそう言うと、Hくんは怒ったのか自分から乱暴に唇を重ねてきた。

その勢いで、私が倒れこむと彼ははっとして身を引いた。

「乱暴にしないで。もっと上手にして御覧なさい」

私がそう言うと、彼はまた唇を重ねた。

私がHくんの口に舌を差し入れると、戸惑ったようにたどたどしくそれに応える。

やがて、息苦しくなったのか、Hくんは顔を赤くして離れた。

はぁはぁと呼吸が荒くなっている。

「Hくん・・・」

「は・・・はい・・・?」

「付き合ってるコとは、どんな事をしてるの・・?」

「どんなって・・・その・・・」

「先生とも・・・そういう事したいって思う?」

「えっ・・・」

Hくんは、顔を真っ赤にして、何も言えなくなっていた。

「ふふっ・・・冗談よ」

私がそう言うと、Hくんは静かに、そしてゆっくり答えた。


「したいです・・・先生と・・・」


私はまっすぐにHくんをを見上げ、そして彼のほうへ腕を伸ばした。

「じゃあ、来て・・・」

Hくんは、ゆっくりとした動作で、私の上に被さった。


続きます。


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きっかけ④ ~秘密を作るまで~

先日のことがあって、I先生の申し出を早く断らなければ、と思っています。

だけど、なかなかそういう内容のことって、メールでは失礼だし、こちらから言い出すのもなかなか気を遣います。

だからと言って、ほっておくわけにもいきませんね・・・。

困ってます。

I先生から尋ねてくれたら、まだ言い易いのかもしれません。

さて、Hくんとの「きっかけ」を書き続けていますが、今回のお話から今の関係に繋がっていきます。



3月のある日、私はHくんが来るのを待っている間に眠ってしまっていたらしかった。

教官室に置いてあるソファーに座り、肘掛に凭れ掛かっているうちにうとうとし始めたのは覚えている。

だけど、その後何分くらいそうしていたのかは分からない。

私は最初、夢を見ているのだと思っていた。いや、どこからが夢でどこまでが夢なのかも分からないし、目が覚めてからのことしか正確にはわからない。

その時は、前に付き合っていた男性と別れてからかなり経っていたし、男に飢えていたせいでこんな夢を見るんだと、夢の中で思った。


誰かが、私の唇に口づける。

だけど、ただ押し当てるだけのようなキス。なんだかたどたどしい感じ。

その相手は、少し息を荒くしている。

ハァハァと言う息遣いが、顔の近くでする。

胸に何かが押し付けられる感覚。

その「何か」と言うのは手だった。

誰かが私の胸を触っている・・・最初は撫でているだけだったのが軽く鷲掴みにされる。

そして、太ももにも手の感触・・・。

何だか生々しい夢を見ていると思って目を開けると、そこにはHくんの顔があった。


私が目を開けたことに、Hくんは目を見開いて、驚いている様子だった。

その時は、まだ私は夢を見ていると思っていた。

だけど、Hくんの表情を見ているうちに、それが夢でないことが分かった。


それが現実だと分かった時に、私はHくんに言った。

「鍵を、かけてきて」

「は・・・い・・・」

Hくんは明らかに動揺していた。

だけど、素早く動くとドアのところに行って、内側から鍵を掛けた。

そうしたまま呆然と突っ立っているHくんに、私は強く言った。

「こっちへいらっしゃい」

Hくんは黙って私の前まで来た。

だけど、何も言うことが出来ないようだった。

「隣に掛けなさい」

言われるがまま、だけど少し間を空けて、私の横に腰を下ろす。

私はHくんの頬に手をあて、こっちを向かせ、そして言った。

「寝ている間に、何をしたの?」

Hくんは赤面して何も言えなかった。

「他の先生に、Hくんに触られたって言っちゃおうかしら?」

「・・・ごめんなさい」

Hくんは消え入りそうな声でそう言うのがやっとだった。

「前から先生の体に興味があったの・・・?」

「う・・・」

「どうなの?」と私は少し強い調子で聞いた。

するとHくんは、また本当に小さな声で、

「はい・・」

とだけ答えた。

「そう・・・いつもそんな風に見ていたのね」

「ち・・・違います!」

「あら?違うの?でも触りたいって思ってたんでしょ?」

「・・・」

私はしどろもどろになるHくんを見ていると、なぜか残酷な気持ちが芽生えた。

そう、それが始まりだったのだ。


「他の人に、知られたくないわよね」

「・・・・はい」

「じゃあ。これから先生の言う事を聞くのよ。そして、何があったかも秘密に出来るって約束できる?」

「・・・はい」

Hくんは体を少し固くしたけど、私の言うことに従いそうに見えた。

「絶対に人に話しちゃダメよ」

そう強い口調で言うと、Hくんはまた「はい」と答えた。



続きます。


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きっかけ③ ~二年生になって~

今日学校を出て電車に乗ると、案の定Hくんからメールが来ました。

「今どこ?会いたい」

「今日はダメよ」

「やっぱり。メールしたらダメって言うでしょ」

「ごめんね。」

今日のメールはそれで終わった。

電車を降りたら待っているかも・・・と思ったのだけど、改札を出てもそこにはHくんの姿は無かった。

ほっとした反面、ちょっと期待外れな気もしたけど、今日は一人でゆっくり過ごすことが出来た。

I先生にも、何も言われなかったし・・・廊下で顔を合わせたのだけど、彼はにっこり笑って会釈するだけで何も言わなかった。

学校だもの、当たり前よね。

さて、先日の続きを書きます。



2年生になったHくんは、毎週金曜日の部活動が終わる頃に教官室に現れた。

それまではもっと早く来ていたのだけど、他の生徒に気を取られることなく教えてもらいたいと言うのが理由だった。

年上の彼女と別れてから、彼には既に新しく付き合っている子が居たらしいけど、あまり一緒に居るところは見かけなかったし、レッスンを無断で欠席することも無かった。


夏休み前、教官室にHくんと私は居た。

その日は確か、お気に入りの白いブラウスを着ていたんだっけと今思い出す。

胸元がフリルになっていて、カシュクールになっているブラウス。

随分前に、ナラ・カミーチェで買ってから何度も着ていた。

Hくんにピアノを弾かせていて、彼に楽譜上のあることを注意した時、彼の肩に胸が触れた。

それだけで、Hくんは少し赤くなってしまった。

それから、Hくんの視線を胸元に何度も感じた。

その事に気が付いていたのだけど、知らない振りをしつつ、ついつい出来心からもっとHくんをからかいたくなった。



次のレッスンのある日、私は胸周りの開いたカットソーを着た。

Hくんの視線があることを知っていながら、さりげなくわざと谷間を強調するようにする。

そうしていると、Hくんが顔を真っ赤にして動きを止めた。

「どうしたの・・・?」

Hくんは何も答えない。

「顔真っ赤よ」

彼は固まってしまったように動かない。

ふと見ると、彼の股間が盛り上がっている。

「・・・ぼく・・・今日はこれで帰ります」

Hくんはそう言うと、ピアノの椅子が倒れそうなくらいの勢いで立ち上がり、自分の荷物を手にすると教官室のドアから飛び出していった。

私は「やり過ぎたかな?」と反省した。


それからすぐ夏休みに入り、Hくんと会わない日々を過ごした。

そして、2学期になって、またHくんは放課後の同じ時間に来るようになった。

もう私は彼をからかうまいと思っていたのだけど、彼のほうは何となくまだ意識している感じだった。

その頃のHくんは、レッスンが終わるとまず携帯を見ていた。

長続きしない彼の恋は、もう既に新しいものが始まっていたようだ。

実際に、以前噂で聞いた女の子と違う子を連れて歩いているのを何度も見かけた。

そんなHくんだったけど、一年の時に比べて背も伸び、私の前では口数が減ったように思い出す。

急に顔を真っ赤にして黙ることもあった。(後で思えばきっと胸が当たったり谷間が見えたりしたのだろう。私は意識してやっていた訳ではない)

そして、私の顔をじっと見ていることもよくあった。

冬休みに入る頃、Hくんは言った。

「休み中に来て練習したらダメですか?」

「私が出勤している日は良いわよ。いつ来たいの?」

「えっと・・・また言います」

冬休みに入り、Hくんは短い休みの間、三日に一度くらいは教官室か音楽室でピアノを弾いた。

そのお陰で、年末年始以外はお休みがあまり取れなかったのだけど。


年が明け、学校が始まり、ある事件が起こった。

その日は仕事の後にお通夜に行く予定があり、教官室で着替えていた。

トントン・・・ドアをノックする音がした。

きっとHくんだとは思ったものの、まだ着替えの最中で、ドアを開けることは出来ない。

「ちょっと待って」

そういうものの、前に書いたとおりこっちからの音は向こうには聞こえない。

ガチャッ、ドアが開いた。

無言で立ち尽くすHくん、顔は真っ赤になっている。

「・・・・」

ドアを閉めればいいものの、彼は呆然としたまま動きもしなかった。

「ドア、閉めて」

「あっっ、ごめんなさい!」

焦ったのか分からないのだけど、Hくんはこっちに入ってきてドアを閉めた。

私はしょうがないので、取り合えず服を着た。

「普通は出て閉めるでしょ」

そう言うとその時初めて気が付いたのか、Hくんはまた「ごめんなさい」と言ってドアの向こうに出て行った。

私がドアを開けると、まだそこにHくんは立っていて、「入りなさいよ」と声を掛けると、真っ赤な顔をして教官室に入った。

「今日は私、これからお通夜に行くの」

「あ・・・それで黒い服・・・」

「そうよ」

「・・・」

「ばっちり見ちゃった?」

「・・・・はい」

「そりゃそうよね」

「・・・」

Hくんはますます顔を真っ赤にして俯いている。

私はHくんに意地悪したくなって、

「みんなに言おうっかな?Hくんに着替えを見られたって」

「・・・」

「嘘よ」

「・・・はい」

「今日はもう時間が無いから、また別の日に来て」

「・・・わかりました」

そう言うのだけど、Hくんは立ち尽くしたままだった。

しょうがないので、私が仕度を終えた後、一緒に教官室を出た。


その後のレッスンで、彼はそれより以上に私をじっと見つめたり顔を赤くすることが増えた。

そして、その年度も終わろうとしていたのだけど・・・。




続きます。



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きっかけ② ~1年生の頃~

1年生の頃のHくんは、まだ幼くて可愛らしい男の子だった。

今よりも背も低く、少し大きく見える制服を着ていた。

週に一度、音楽の授業はあったのだけど、それ以外の時間にもちょくちょく教官室にやって来た。

来ても、ピアノを弾いたりせずただ喋っていくだけことも多かったし、その頃は友達と一緒に来ることも多かった。

今思えば、その頃のHくんは今よりももう少しお喋りだったと思う。

ある日、一人で教官室にやって来たHくんは、いつもよりも真面目な表情をして私に言った。

「先生、真面目にソルフェとか教えて欲しいです」

「急にどうしたの?」

「僕・・・ソルフェージュ・・・特に視唱が苦手で、いつもソルフェの先生に怒られてるんです。だから・・・」

「ちゃんとレッスンに通ってるんでしょう?」

「うん・・・だけど足りない気がして・・・自分で何したらいいか分からないし・・・」

「・・・いいわよ」

「えっ?いいんですか・・・?良かった」

それから、Hくんはきっちり週に一度やって来るようになった。

Hくんにピアノを弾かせたりソルフェージュのレッスンをしたり、たまに二人で連弾したり音楽を聴いたりして過ごした。

ところが、毎週来ていたHくんが、ある日から急に来なくなった。

どうしたのかしら?と思ったのだけど、わざわざ聞くまでも無いとほっておいた。

Hくんの来ない日が続いたある日、窓の外を眺めていたら、Hくんが3年生の女の子と仲良さげに帰宅しようとしているのを見かけ、彼が恋愛に夢中になっていて来なくなったことを知った。

そういう年頃だから仕方ない、そう思って私はHくんとのレッスンのことも忘れていった。


時は過ぎ次の年になった。

その年の3年生が慌しく受験受験と言っている頃、Hくんは久しぶりに教官室にやって来た。

「先生・・・また教えて欲しいんですけど・・・」

申し訳なさそうに言うHくんが、その時は非常に鬱陶しく感じた。

何て都合の良い・・・そんな風に思った。

きっと相手の女の子が入試目前になって、Hくんに別れを切り出したのだろう、そう思った。よくあるパターンだ。

「もういいのかと思ってたわ」

確かそんな事を言ったと記憶している。

「何も言わずに来なくなって御免なさい」

私は少しイライラして、Hくんに嫌な言葉をぶつけたと思う。

だけどHくんは、それでも申し訳なさそうにまた私に教えて欲しいといった。

「分かったわよ。だけど来なくなる時はちゃんと言ってね」

それからまた放課後のレッスンが再開した。

そしてすぐ、Hくんは2年生になった。



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きっかけ ~出会い~

Hくんと会えなくなってしまう前に、Hくんとのこれまでを書いておこうと思います。



「この学校で音楽を担当しているくぼと言います」


Hくんとの出会いは、彼が入学して最初の音楽の授業だった。

入学したての生徒達は、大人びた子、幼い子・・・いろいろ居るけれど、どの子もこれからの高校生活を楽しもうと目を輝かせていた。

その中で、Hくんはまだあどけなさが充分残った可愛らしい面立ちをしていた。

「質問はありませんか?」と私が言うと、確かH本くんだったかが、「せんせぇー、彼氏は居るんですか?」とお決まりの質問を浴びせた。

「内緒よ」と私が言うと、「えーっ」と言う子が何人か居た。

そんなスタートで第一回目の授業は始まった。

2時間続きの1時間目はあっという間に終わり、私は隣の教官室へ入って休んでいた。

その時、コンコンとドアをノックする音がして私が開けると、Hくんが立っていた。

「先生、ピアノ専攻だったって・・・僕もピアノで進学しようと思ってるんです」

確かそんなことを言ったと思う。

あの頃のHくんは、私の前では「僕」と言っていたはず。

「僕のピアノ、今度聴いてもらえませんか?」

それが始まりだった。

それから、部活に入らなかったHくんは、放課後にやって来て、私の前でピアノを弾くようになった。

だけど当然、最初は何も起こらなかった。

ただ彼がピアノを弾いて、私がそれに評価したり一緒に弾いたり・・・少なくとも最初はそうだった。



続きます。


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回想

先日使っていた楽典のテキストを仕舞ってしまおうと思ったのだけど、ぱらぱらと捲ると落書きがしてあった。

それは、大学の時に付き合っていたMという男の子が書いたものだった。

それを見ると、目に焼きついて離れない光景がある。



Mは大学入学と同時に、日本に留学してきた外国人だった。

外国人らしい整った顔立ちをしていたので、入学当時から話題になっていた。

私は、もともと外交的な性格ではないので、その噂を聞いていて興味があったけど、
話しかけられもせずにいた。

ところが、何がきっかけになるかは、予期していないもので、6月のある日、とある
授業に遅れてきたMはたまたま空いていた私の隣に座った。

入学する前に向こうで日本語を勉強してきたらしく、会話もある程度は出来るMだっ
たけど、教授の口調が早口すぎて聞き取れなかったらしい。

「スミマセン、今先生は何て言ったのですか?」

私は教授が言った言葉を繰り返した。

「ああ、ありがとう。分かりました」

その教授は早口で有名な方で、その授業の間、彼は何度も私に聞いてきた。

授業が終わって片付けをしていると、Mが私に言った。

「ありがとう。助かりました」

「いいえー、あの先生早口で有名だから」

「あの・・・お名前を教えてください」

私は、彼に自分の名前を告げた。

「僕はMと言います。お友達になってもらえませんか?」

後で話していて分かったのだけど、彼は大学では女の子に囲まれていたけど、その頃
まだ友達らしい友達はできていなかったらしい。

それから、Mと親しくなり、私の周りの女の子を含め、ご飯を食べたり遊びに行ったりするようになった。

そして、いつの間にかもっと親密になり、9月の終わりには付き合っていた。

彼は当然私の体を求めたけど、当時の私はまだ男性経験が浅く、短い付き合いで体を許してしまうのには抵抗があったので、いつもその直前になると拒んでいた。

だけど、Mは私を大事にしてくれ、私は愛されていると思っていた。


ある日の夕方、Mの部屋の鍵を貰っていた私は、前触れ無く訪ねて脅かしてやろうとMの部屋に行った。

Mの部屋の前に着くと何か胸騒ぎがした。

気のせいだと自分に言い聞かせて鍵を開け、ドアを開けた。

ドアを開けると真っ暗で、玄関にまで煙草の煙のようなものが充満している。

部屋に上がると、我が目を疑うような光景があった。

狭いリビングの中には、数人の男女が笑いながら裸でもつれ合っている。

ローテーブルの上には、後からそれが何か分かったのだけど、マリファナと麻薬の錠剤が置いてあった。

Mは私を見ると、笑いながら、「一緒に楽しもう」と英語で言った。

私は怖くなって、その場から立ち去った。


その日以来、私はMを避け、Mもとうとう愛想を尽かして去っていってしまった。

そして、2回生の途中には私にも新しい彼が出来た。

それから大学を卒業するまでMとは一度も喋っていない。

卒業後に国に帰ったのは知っているけど、その後もどうしているかは知らない。



あの時見た光景は、今でも鮮明に思い出すことが出来る。

その時は何が起こっているのか理解できず、ただ「怖い」と思ったけど、それ以来「セックスって楽しそう」と思ったのは事実だ。

それまでは、入れて出すだけのセックスしかした事がなく、快感なんて分からなかったのだけど、それ以降に付き合った男性に対しては、それまでの消極的さは無くなった。

ある意味、Mに感謝すべきかもしれない。




さっきHくんから「今日は一日受験勉強と練習とした」とメールがありました。

「受験生でしょ、当然よ」と返事を送ると、「褒めてくれてもいいのに」と書いてきたので、「ちゃんと合格したらご褒美をあげるから」と返事を送ってしまいました。

それまで、おとなしくしていてくれればいいのだけど。


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