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2008年8月

もうすぐ

帰省について書いている途中ですが・・・


もうすぐ新学期が始まります。

2学期は文化祭などがあって、何かと忙しい時期。

Hくんとのんびり過ごせる夏休みもあとちょっと、と言うか明日からは新学期の準備で少しバタバタします。。。

普通に働いている方からはお叱りを受けそうですが、この仕事をしていると、この時期「夏も終わり。。」と寂しく感じます。

特に、今年の夏は、Hくんのお陰で充実したものになり、U嶋さんが居なくなってから一人で何となく過ごしてきた夏とは大きく違うものになりました。

Hくんには直接言えませんが、本当はたくさん「ありがとう」と言いたいです。


さて、今日はもうそろそろHくんが帰ってくるのでこの辺で。

明日以降に、実家での事などをUPしたいと思います。




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帰省 ~②

このところ涼しくなってきましたね。

夜になると、私は「ちょっと寒いかも・・・?」と言って長袖を引っ張り出して着たりしているのですが、Hくんは「暑いー暑いー」と言っています。

若さ・・・?でしょうか???


さて、実家に帰省した話の続きです。

過去の記事を読み返してみると、中途半端になっているものばかりで・・・ごめんなさい。


マンションの駐車場を出たときは楽しげだったHくんも、実家が近くなってくると表情が硬くなって来た。

「緊張してきた・・・どうしよ」

「ここまで来たら帰れないわよー」

わざと意地悪く言うと、Hくんは苦笑いしていた。


やがて、実家近くになり母に電話すると、着いたときには母が外で待っていた。

Hくんが車を降りて挨拶すると、母は案の定目を丸くしていた。

きっと私と同い年くらいかそれより上だと思っていたのだろう。

Hくんが車を停めている間に、母は私に言った。

「若く見えるけど・・・何をしている人なの?」

「まだ・・・大学生よ・・・」

「ええっ・・・???」

まだまだ何か言いた気な母は、Hくんが車を降りてくると顔に愛想笑いの表情を浮かべ、「どうぞ、中に入って」と言った。


家に入ってすぐ、Hくんが私に声を掛けた。

「先生・・・」

それを母が聞き逃すはずは無かった。

彼をソファーに案内すると、早速Hくんを質問攻めにした。

彼が何をしているか、お父さんは何をしている人なのか、家族は・・・など、Hくんは嫌な顔もせず一つ一つに答えていた。

お陰で、私が今まで曖昧にしか知らなかったことも知ることが出来たのだけど。

Hくんが出されたお茶も飲めずに居るので、私は母に声を掛けた。

「お母さん、Hくんが困ってるわよ」

「あら・・・ごめんなさい・・・でも、今時の若い人にしては真面目な感じね」

そう言われてHくんは顔を赤くして俯いてしまった。

「もう・・・ますます困ってるじゃないの」

「あら・・・まあゆっくりしてちょうだいね」

母はそういい残し、別の部屋へ消えていった。

「大丈夫?」

「まぁ・・・大丈夫・・・でも先生のお母さんって・・・先生に似てるね」

「どこが?」

「何となく・・・顔って言うのじゃなくて・・・雰囲気とか喋り方とか。先生もあと何年か経ったらあんな感じになるのかな?」

「そうかもね・・・」

「で・・・お父さんは?」

「居ないみたいね」

「そう・・良かった」

「どうせ後で顔を合わすわよ」

「でも・・・一度に来られたら困るよ」

「父はあんな感じじゃないわよ」

「うん・・・」

二人で話をしていると、母が戻ってきた。

「お父さんは夜にならないと帰ってこないみたい」

「そう・・・」

「部屋でのんびりして来たら?」

「そうするわ」

客用の部屋に入ると、Hくんは「疲れたー寝る」と言って、床に寝転がってしまった。

そのうちすうすうと寝息をたてて、本当に寝てしまった。

私はHくんをそこに寝かせたまま、母のいるリビングに向かった。

「あら?Hくんは?」

「寝ちゃったの」

「疲れたのね、かわいそうに」

「お母さんがあれこれ聞くから余計に疲れたのよ」

「だって・・・初めてお会いしたんだから仕方ないでしょ」

「後にすればいいのに」

「それはそうと・・・あの子、もしかして行ってる学校の・・・」

「そうよ」

「問題になったりしないの?」

「もう卒業してるから・・・それに言ってないもの」

「連れてくるって言うから、ちゃんと働いている人かと思ったのに」

「早合点しないでよ」

「でも・・・なかなか良い子ね。今時の若い子にしては珍しいわ」

「あんなもんでしょ。そんな新聞に載るような子ばかりじゃないわよ」

「そりゃそうでしょうけど・・・で、あなた、あの子とどうするつもり?」

「どうするも無いわよ、別に」

「もういい歳なんだから、ちゃんと先のことを考えて頂戴。お父さんが何て言うかしらねぇ・・・」

「あーあー・・・何て言うかしらね・・・どんな顔するのかしら・・・我ながらちょっと不安になってきたわ」

話しているうちに、何となく母がいつもよりも身近に感じられた。

いろいろな事をくどくど言う母が苦手で、これまで家に寄り付かなかったのに、母と普通に会話しているのが何となく不思議に思えた。


そして、夜になり父が帰ってきた。



ごめんなさい。また続きます。




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帰省

先週、実家に帰っていました。

なぜか、Hくんも一緒に行くことに・・・。


二人で海に行った日、帰宅すると母から電話が掛かってきました。

「お盆は帰ってこないの?」

そう母が尋ねたとき、タイミングの悪いことにお風呂場からHくんの声・・・。

「誰か出来たのね・・・お父さんも『あいつはまだ結婚しないのか』とかしょっちゅう言ってるんだけどほっとしたわ」

「そんな・・・結婚なんて」

「どんな人なの?」

「どんなって・・・」

「いくつくらい?」

「それは・・・」

「何をしてる人なの?」

母は私が答える間も与えずに次々と質問ばかり投げかけてくる。

そして、最後には、

「一度会ってみたいわ、お盆に連れてらっしゃい」

「そんな・・急に言われても相手の都合が・・・」

気が付くと、Hくんは既にお風呂から出て来て、背後に立っていた。

どうやら母の声が受話器から漏れていて、会話が聞こえていたらしい。

「オレ、行ってみたいな」

「え・・・?」

「あら、物分りの良さそうな人ね。じゃあ、お盆は待ってるから」

母はそう言うと電話を切ってしまった。


「もうーー!!行くなんて簡単に言って・・・」

「いいじゃん、一度先生の家族に会ってみたい」

「どうして?」

「その・・・将来的に・・・」

「何を言ってるの・・・Hくんはまだまだ子供ね」

「どうして?」

「今の付き合いが一生続くとは限らないわよ」

「どうして?」

「あなたはまだまだ若いんだから・・・って前から何度もその話はしたわよ」

「だけど・・・今は先生しか見えない」

そんな風に言われて、私は胸が締め付けられるような、それで居て心地よいものを感じたけど、実際にあと数年後、いや来年でも一緒に居るとは限らない。

自分の気持ちを誤魔化すように、私はHくんに言った。

「まぁ良いわ、14日に行くつもりをしてたのだけど、バイトは大丈夫なの?」

「ん?誰かに代わって貰うよ」

「お盆なのに大丈夫?」

「お盆は先生と過ごすつもりでそんなに入れてないから何とかなるよ」


行くまでに、厳格な父のことを少しHくんに話してみたけど、Hくんは「会ってみたらどんな人か分かるから」とあまり重く考えていないようだった。

私自身は、実家にたとえ歳が離れていても、男性を連れて行くということにかなり抵抗があった。

そんな事は今まで一度も無かったからだ。

私の心配をよそに、Hくんは前日まで車の中で食べるお菓子や持って行く物をせっせと準備していたけど。



そして、14日のお昼前、Hくんの車に乗り込むと、実家を目指した。




続きます。


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気になったこと

昨日飲みに行っていたHくんは、今朝私が目を覚ますと隣でいびきをかいて寝ていました。

私は、寝る前に飲んだビールが効いたのかぐっすり寝ていて、Hくんがいつ帰ってきたのかも気が付かずに眠りこけていたようです。。。

早く起こすのは可哀想なので・・と私も二度寝して、次に起きた時はもうお昼前になっていました。

それでもHくんはまだよく寝ていましたけどね。。。

遅くに起きたHくんは起きるなり言いました。

「日曜晴れるかなぁ」

その言葉を聞いて、海に行こうといわれていたのを思い出しました。

それと同時に、着る水着が無いのも・・・。

Hくんにそう伝えると、「じゃあ水着を買いに行こう」と言うことになり、二人で夕方になってから買い物に出ました。


二人で歩いているとHくんは手を繋ぎたがります。

私は、ちょっと前までは恥ずかしくて断っていたのですが、最近は慣れてきて手を繋いで歩くようになりました。

でも・・・傍から見るとどう見えるのかなって思ってしまいます。

よく見る手繋ぎカップルは、大体同年代の二人か、歳の差が明らかだとしたら男が年上のカップル。

私達のような組み合わせがあっても、手を繋いでいると言うことはなく・・・もしかしたら姉弟の組み合わせなのかもしれないと思ってしまいます。

でも、そうじゃない(姉弟ではないと言うこと)のって、見てるだけでわかるものですけどね。


以前は一緒に歩いていると「仲の良いご姉弟さんですね」とよく言われたのだけど、手を繋ぐようになってからはそう言う事は誰も言わない。

と言うか言えないのだと思う。

だって、姉弟で手を繋いで歩くって、有り得ないでしょうし。

ふと二人で歩いているのがガラスに写ったのが目に入ると、なんとなく気恥ずかしくなってしまう。

だけど、長く忘れていた手の温もりを一度味わうと、彼の手を離すことが出来ないでいるのです。。。




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U嶋さんのこと ~②

今日はHくんから「遅くなるから先に寝てて」と電話が掛かって来ました。

バイト先の人と飲みに行っているらしいですが、いつ帰ってくるのやら・・・。

その代わり、急に「日曜に海に行こう」と言い出して・・・酔っ払っていたのかも知れませんが。。。

さて、Hくんの帰りも遅いということなので(笑)さっきの続きを書くことにします。

U嶋さんの事は、長く引っ張るつもりは無いので、書かなくても良いかもしれないのですが。


飲み会から一週間ほど経ったころだったか、U嶋さんからメールが来た。

「次の週末お食事でもどうですか?」

男から食事に誘われるのは、下心があるからだとよく聞くのだけど、当時中学校に勤め始めていた私は出会いも無く、そして、教師以外と話す機会も減っていたのでO.Kと返事をした。

今思えば、浅ましい行動だったかもしれないけど、当時は若かったのでそういう気にもならなかった。

そして週末、U嶋さんは私をイタリアンのおいしいお店に連れて行ってくれた。

「実はお酒、結構強いんだね」

飲み会では私の気分が悪くなったことにしたので、あの口実はまずかったかなぁなんてU嶋さんは言った。

そして、話していて頭のいい人だと分かった。

会話も豊富で、私はその時既に好意を持っていたと思う。

歳を初めて知った時は、自分よりもかなり年上だと思ったけど、少年さが残っているように見えて、年齢差などあまり感じなかった。

その日の帰り際、U嶋さんは言った。

「また・・・会ってくれないか?もし誰か居るのなら・・・」

「ええ、ぜひまた誘ってください」

「いや・・あの・・・」

U嶋さんが口ごもっていたのを覚えている。

そして、顔を赤くして「お付き合いして欲しい」と言われたのを今でも覚えている。

その日は、「初めから遅く帰すわけに行かないから」と10時過ぎにはタクシーで送られて、別れ際にキスした。

それから週に一度は会うようになり、やがてうちに泊まっていくようになった。

マキに「どうなってんのよ?」と聞かれたので「付き合っている」と答えると、「やっぱりね」と返ってきた。

付き合っているうちにU嶋さんのことをもっとよく知るようになったのだけど、誠実でいい人だった。

しっかりしていて優しくて、嫌なところなどひとつも無かった。

マキから聞く彼の話も、彼の人柄や仕事ぶりが決して悪くなくむしろ言いと言うこともよく分かったし、彼の人望が厚いこともよく知らされていた。

それに、U嶋さんは私のことを大事にしてくれた。

だから長く付き合えたのだと思う。


付き合った当初は、彼の年齢のこともあって結婚するだろうと周りの人には言われていた。

私もU嶋さんも、それが当然のことだと思っていた。

だけど、長く付き合っている間に周りの状況も変化していくもので、U嶋さんは会社で昇進した。

それをきっかけに仕事の量が増え始め、一緒に過ごす時間も減っていった。

私も当時居た中学校にも慣れ、遅くまで学校で仕事することも増えていったのだけどそれはそれで楽しかった。

お互いが仕事にどっぷり漬かり、会わない間お互いの事を忘れてしまうまでは時間が掛からなかった。

あんなに好きだったのに、それよりも私は仕事が楽しかったし、U嶋さんも私との約束をキャンセルして仕事するようにもなっていた。

会う時間が減り会話も減り、喧嘩することはなかったけど明らかにお互いを思いやる気持ちは以前より減っていた。


そしてある日、U嶋さんが私に言った。

「俺・・・転勤になるらしい」

「どこに・・・?」

「シンガポールに・・・」

「どれ位行くの?」

後で知ったのだけど、その問いかけが大きな溝を生んだと彼は言う。

一緒に行くと私は言わなかったから・・・と言うことだそうだ。

彼は自分から「一緒に来て欲しい」とは言えなかったと言う。

だけど、私の口から「一緒に行く」とか「待っている」と言う言葉が聞けるものだと思っていたと言う。

でも「一緒に来て欲しい」と言われても、困ってしまったたと思うのけど。

彼は「いつ帰ってくるか分からないし、もしかしたらずっと向こうに居るかも知れない」と言った。

私は何も言えなかった。

ただ、離れてしまうと言うことが悲しくて泣いていたのは覚えている。


そして、それから一ヶ月ほど後、U嶋さんはシンガポールへ転勤となった。

「見送りに行く」と言うと「寂しくなるから来なくていい」と言われ、だけど彼が行ってしまった後は不思議と涙が出ることは無かった。

そして、彼が向こうに行ってからすぐに「待ってなくていいから」と言う手紙を受け取り、私は彼との関係が終わったことを知った。



あれから数年が経ち、私は今度こそU嶋さんとは二度と会わないと思った。


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U嶋さんのこと

U嶋さんについて書こうとすると、マキが絡んできます。

と言うか、私とU嶋さんを引き合わせたのはマキなので・・・そのことからお話しようと思います。


大学を出てすぐマキは、ひとつ上の先輩と結婚した。

マキの卒業を待ってから、と言う約束になっていたらしい。

だけど、結婚生活は長く続かなかった。

相手の浮気が原因で、わずか5ヶ月で離婚してしまったマキは、家に戻った。

彼女の両親、特に父親は、マキを世間知らずに育てたのが原因だと言って、家でピアノ教室でも開くと言っていたマキを縁故就職させた。

ちなみに、マキの父親は結構大きな会社を経営していて、マキはかなりお嬢さん育ちだった。

その、マキが就職した会社に出入りしていたのがU嶋さんで、新顔のマキにはいろいろ親切にしてくれていたらしい。

そのうち仲良くなって、「合コンしよう」と言うことになり、借り出されたのが私だった。

私は自分の性格も良くわかっているつもりだったので、最初断ったのだけど、他に誰も居ないと頼まれて、私とミサ・そして同じ大学のTと言う子が参加することになった。


合コンでは、男性陣はU嶋さんと同じ会社の人ばかりだったけど、彼よりも若い人が多く、みんなはしゃいでいた。

私はちょっとついていけない感があり、U嶋さんはそれを見抜いていたようだった。

お手洗いに立った私の後から来て、「疲れたでしょ」と声を掛けてきた。

「はい」と私が答えると「僕もですよ、この飲み会だってあいつらに頼まれて・・」と話した。

そして思わぬことを彼は口にした。

「二人で抜けません?」


それから、私の気分が悪くなったから送っていくと言って、U嶋さんと私はそのお店から出た。

盛り上がっているマキ達は、あまり気にもしない様子だったけど、次の日になってマキから「どうだった?」とメールが来た。


お店を出た私とU嶋さんは、違うお店に行った。

二時間ほど話して過ごし、帰り際に「また会って欲しい」と連絡先を聞かれたので教えた。

それがU嶋さんとの始まりだった。


長くなったので続きます。


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今日は・・・

前回の続きや、U嶋さんについて書こうと思っていたのですが、もうすぐH君が帰ってくるので書けそうにありません。。。


結果を言うと・・・U嶋さんにはもう会わないでおこうと思っていると言うこと。

かつては好きだったし、別れた後もHくんとこうなるまでは、実は時々思い出したりしていたのですが・・・もう元に戻ることは不可能ですし、私には今H君が居ます。

でも、なぜ元に戻ることが不可能なのか・・・その辺りは今度詳しく書こうと思います。

では、今日は時間が無いので。。。


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待ち伏せ

学校からの帰り、駅の改札を出ると白いセダンが停まっていた。

そこに車が停まっていることは別に珍しいことではない。

だけど、なんとなく違和感があり、気になったのだ。

違和感の原因は、ナンバープレートだった。

この辺りではあまり見ない、他府県ナンバー。

夏休みだから帰省している人なのかも知れない・・・そう思ってその車の横を通り過ぎようとしたときだった。

運転席に居た男性は、窓を少し開けて私の名を呼んだ。

最初は気のせいだと思って通り過ぎようとしたけど、更にドアが開いてその人は私の腕を掴んだ。

「とにかく・・・乗れよ」

その人に促されるまま、私はナビシートに乗り込んだ。

何を話したら良いかわからず、心臓はとても早く鼓動を打ってその人に聞こえるのではないかとすら思えた。

「元気にしてたか?」

その人が言った。

「うん・・・」

「マキから聞いただろ?電話待ってたし・・・それに何度も掛けたんだけど出なくて、会いたくないのかとは思ったんだけど、会って欲しかったから」

「そう・・・」

「変わってないな」

「え・・?」

「いや・・・失礼な言い方かもしれないけど、あの時と変わらずだなって」

「もう三十を超えたわよ、少し老けたと自分では思うわ」

「いや・・・君はまだまだ若いよ。目の当たりにしてそう思った」

外を見ると、いつの間にか家から結構離れていた。

「何処に行くの?」

「いや・・・特に決めてないけど、何処か行きたい所あるのか?」

「特に・・・無いわ・・・貴方も相変わらずね。私の予定も聞かずに来て」

「何かあったのか?今日」

「無いけど・・・びっくりしたわ」

「そうか・・・ごめんな」


それから、二人ともが言葉を失い、その人も私も煙草に火をつけた。

その人とは、前回書いたU嶋さんだ。

マキから電話を貰った後も、U嶋さんは私に電話をくれていた。

だけど、私は出ることもせず、また教えてもらった番号に掛ける事もなかった。

Hくんには、何も話していない。


無言の重圧に耐え切れなかったのはU嶋さんだった。

「学校、変わったんだな。何処に行ってるんだ?」

「○○高校・・・知らないでしょ?」

「いや、名前だけは知ってる。男子校じゃないのか?」

「もうかなり以前から共学よ、貴方がこっちに居る頃からだと思うわ」

「そうか・・・あちこち知らないうちに変わってるよな」

「そうね」

しばらくは私の近況について、当たり障りの無い話をしていた。

それから、車は停まった。

そこは、以前Hくんと来たことのある海岸に近く、また海水浴場でもないのでこの季節なのに人は居なかった。


続きます。


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