Hくんとのデート
昨日、Hくんとの待ち合わせ場所に着くと、彼はもう来て待っていた。
私の姿を見つけると、嬉しそうに手を振った。
「どこに行くの?」
「まずこっち」
Hくんに言われるままついて行くと、待ち合わせ場所の駅に隣接した駐車場。
「今日は親父に車借りてきた」
私はHくんが免許を持っていることすら知らなかった。
「いつ免許取ったの?」
「夏休み」
「よく運転してるの?」
「たまにね」
「事故らないでね」
「大丈夫。気を付けるから」
助手席に乗り、シートベルトを締める。
「どこに行きたい?」
「まずお昼にしましょうよ」
「うん、何食べる?」
「適当に、走りながら決めましょ」
「分かった。でもちょっと離れた場所のほうが良いよね?」
「うん」
「じゃあ出発」
Hくんは楽しそうだ。
私もそんなHくんを見ていると何だか楽しい気分になってきた。
「ご飯食べたらどうする?」
「どこか行きたい所はあるの?」
「先生とならどこでも。先生は」
「人のいないところのほうがいいわ」
「人のいないって・・・」
「そういう意味じゃないわよ」
「なーんだ」
「じゃあ、適当に」
「お任せします」
「はーい」
それから、何故か私の学生時代の話になり、大学の時の話をした。
そのうちちょっと洒落た感じのお店を見つけたので、そこでお昼を取る事にして、車を停めた。
「ああ、やっと落ち着いて座れる」
「そんなに運転怖くないだろ」
「でも、初心者だと思うと緊張するわ」
「先生だって乗らないくせに」
「あら、実家に帰れば乗る事もあるのよ」
「そっちのほうが怖いよ」
「まぁ失礼ね」
そんな風にふざけあいながらお昼を食べて、また車に乗る。
どこか目的地がありそうなので、尋ねてみた。
「どこに向かってるの?」
「うん・・?適当」
「そう?」
「うん」
既に住んでいる所や学校からは離れていて、私の知らない場所に来ていた。
Hくんはここがどこなのか分かって走っているのだろうかと思った。
外は海が見えてきて、すれ違う車も他府県ナンバーばかり。
車は海沿いの細い道に入り、砂浜が近くに見えてきた。
Hくんは季節はずれの海水浴場の駐車場に車を停めた。
「人のいない場所に着いたよ」
「本当に誰もいないのね」
歩いている人は勿論、車の一台も他に停まっていなかった。
Hくんは何やらガサゴソとラッピングされた小箱を取り出して私に渡した。
「忘れる前に、これ・・・ホワイトデー渡しそびれちゃったから」
「・・・ありがとう。開けてみていい?」
「うん、気に入ってくれるかなぁ」
リボンをほどいて、包み紙を丁寧に開ける。
箱を開けると、中にはライターが入っていた。
「ありがとう。大事にするわ」
「うん、ちゃんと使ってね」
「うん」
「外に降りる?」
「ちょっとだけ出てみようかしら?」
砂浜に下りると、私はパンプスでなくブーツを履いてきて良かったと思った。
それでも、ヒールはどんどん砂に埋まってしまう。
「歩きにくそう・・・」
「ちょっと・・・ね・・・」
私が返事する間も無く、Hくんは私の手を握って引いてくれた。
波打ち際まで来たのだけど、肌寒く感じて二人とも身震いする。
「やっぱり車に戻ろうか?」
「そうしましょ」
車に戻ると、Hくんはエンジンをかけエアコンをつけた。
「あー寒かったー」
「ホント、寒かったわ」
「でも、もう少しここにいようよ」
「ええ、良いわよ」
Hくんはシートを倒して伸びをした。
私は、女を海に連れて来るなんて気障だわ、と口にしようと思って止めた。
だけど、自然に口元が笑ってしまう。
「どうしたの?」
「何でも無いわ」
「言えよー」
「何でも無いったら」
そうやってふざけ合っているうちにHくんは私にキスをした。
舌を絡ませながら、私のシートを倒し、胸元を弄ってきた。
前を肌蹴させると、顔を胸に埋める。
手はスカートの中に入ってきて、下着の中にまで潜り込んで来た。
「ああ・・・だめ・・・」
Hくんの指は私の敏感な部分をを探り当てた。
「んんっ・・・ああ・・・」
「先生、濡れてきたよ」
「だめよ・・・誰か来たら・・」
「誰も来ないよ」
「でも・・・」
「大丈夫」
「でも・・・ああっ」
Hくんは指をヴァギナに入れ、私が感じるように動かしてきた。
「ああっ・・・ああ・・・だめよ・・・」
「本当にダメ?」
「うん・・・ここじゃダメ」
私がそう言うとHくんは諦めたのか、「分かった」と手を止めた。
私が着衣を直すと、Hくんは「行こうか?」と車を発進させた。
「どこに?」
「ホテル。ダメ?」
「お任せするわ」
「そう言うのって、ずるいよ」
「どうして?」
「行きたいって言わないじゃん」
「・・・」
「先生はしたくない?」
「・・・」
「したいんだろ?」
「・・・うん」
「だったらそう言えば良いのに」
「なかなか言えないわよ」
「素直じゃない」
Hくんに説教されているのが可笑しくなって、ついつい笑ってしまった。
するとHくんはほっぺたを膨らませた。
「あーもう。真面目に言ってるのに」
「ごめんなさい。何だか可笑しくて」
「分かったよ。とにかく行くよ」
「はい」
それからまた、車で走った。
知らない場所で土地勘が無いため、どこを走っているかどこに向かっているかも分からない。
「Hくんはこの辺に来た事があるの?」
「うん。一人でぶらぶらする事がある」
「一人で?」
「うん、そうだよ」
「へぇ~」
「なんで?」
「いつもH本くんと居たイメージがあるから」
「いつもいつもあいつと一緒に居る訳じゃないよ。オレだって一人になりたい時もあるよ」
「どんな時?」
「うーん、考え事する時とか」
私は、Hくんが車に乗る事すら想像していなかったので、一人でぶらぶらしていると聞いてまた驚いた。
「先生ってさ」
「ん?」
「オレが何してるとか意外に知らないでしょ?」
「そうかも知れないわね」
「オレに無関心なんじゃない?」
「そんな事も無いわよ」
「そう?」
「ただ・・・明らかに私とは違うし、そうね、こうやって車に乗るとかは考えてもみなかったわ」
「もっと・・・オレの事知ってほしい」
「うん・・・」
「もっとオレの事見てよ」
「うん・・・」
「オレの事、どう思ってるの?」
私はどう答えて良いか分からず、黙ってしまった。
ごめんなさい。長くなったので続きます。
ぽちっとするといい事あるかも?
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